approach
sasafuneでは、研究で効果が確かめられてきた方法を土台にしています。
様々な技法を組み合わせて支援を行いますが、
中心に据えている理論は、
認知行動療法・マインドフルネス・コンパッションの3つです。
それぞれがどんな考え方なのか、セッションで何をするのか、
どのような方向けなのか?についてご紹介します。
your story
3つの方法をご紹介する前に、いちばん大切にしている前提を、先にお伝えさせてください。
カウンセリングの出発点は、技法をどう当てはめるかではありません。目の前にいるあなたにしかない歴史を生きてきた、ひとりの人として理解することです。いま、何に困っているのか。これまで、どんな人生を歩いてきたのか。そのなかで、何を大切にしてきたのか。同じ「うつ」や「不安」という言葉の後ろに、同じ物語はひとつもありません。私は、あなたに流れている物語を大切にします。
だから、どの技法をどう使うかに、決まったマニュアルはありません。物語を聴かせていただいたうえで、あなたに合う形を想像し、一緒に探していきます。これからご紹介する3つの方法は、そのためのツールです。
Cognitive Behavioral Therapy
物事の受けとり方(認知)と行動から、
気分の安定を図る心理療法
同じ出来事でも、そのときの受け取り方によって、気分や体の反応は変わります。たとえば、あいさつに返事がなかったとき。「嫌われたのかもしれない」と受け取れば不安がふくらみ、「急いでいたのかな」と受け取れば、少し流せる。出来事そのものと同じくらい、受け取り方とそのあとの行動が、気分を左右しています。
つらさが長引いているとき、多くの場合、ここに悪循環ができています。気分が沈むと悲観的な考えが浮かびやすくなり、人を避けるようになり、ますます沈んでいく、というように。認知行動療法は、この悪循環を一緒に見つけて、考え方と行動の選択肢を少しずつ増やしていく方法です。
セッションでは、困った場面をひとつ取り上げて、そのとき浮かんだ考え、気分、体の反応、行動を一緒に書き出して整理します。渦中では見えなかったパターンが、書き出してみると、意外なほどはっきり見えてきます。
「ポジティブ思考に変える訓練」ではありません。無理に明るく考えるのではなく、視野が狭くなっているときに、別の見方も選べる状態を取り戻していく練習です。
うつ病や不安症に対する効果は国内外の研究で繰り返し確認されており、日本では厚生労働省が認知行動療法の研修事業を設けています。担当カウンセラーはこの研修を修了しています。(出典)
Mindfulness
「いま、ここ」に注意を戻して、
考えと少し距離を取る練習。
不調が続くとき、こころは「あのとき、こうしていれば」という過去と、「また同じことになったら」という未来のあいだを往復しがちです。同じ考えが繰り返し浮かんで止まらない状態を、心理学では反すうと呼びます。反すうは、うつの再発にも関わることが知られています。
マインドフルネスは、呼吸や体の感覚を手がかりに、「いま、ここ」に注意を戻す練習です。考えを消すわけではありません。浮かんでくる考えに気づいて、少し離れたところから眺める。その距離が、考えに飲み込まれないための足場になります。
セッションでは、数分の短い練習から始めます。呼吸に注意を向けて、それたことに気づいたら、また戻る。この「気づいて、戻る」の繰り返しが練習のすべてで、うまくできたかどうかは問われません。
「無になること」「雑念を消すこと」ではありません。注意がそれるのは失敗ではなく、それに気づいて戻るたびに、練習がひとつ進んだと数えます。
マインドフルネスを取り入れた認知療法(MBCT)は、うつ病の再発予防プログラムとして効果が報告されています。再発予防を柱とするsasafuneにとっても、大切な土台のひとつです。(出典)
Compassion Focused Therapy
自分を責める声に、
思いやりで応じられるようになる練習。
まじめにがんばってきた方ほど、「まだ足りない」「自分が悪い」と、自分に厳しい声を向け続けていることがあります。その声は、長いあいだ努力の原動力だったかもしれません。ただ、疲れきったこころには、その声が回復のいちばんの妨げになります。
コンパッション・フォーカスト・セラピー(CFT)は、脳のしくみの理解をもとに、自分に思いやりを向ける力を育てる方法です。人の脳には、危険にそなえる〈脅威システム〉、目標を追いかける〈獲得(動因)システム〉、安心を感じる〈安心(スージング)システム〉という、3つの感情のしくみがあると考えます。自己批判が止まらない状態は、このうちどれか(多くの場合、脅威と獲得のしくみ)が過剰に働き続けている状態です。CFTが目指すのは、その過活動をゆるめて、3つのバランスを取り戻していくことです。
セッションでは、自分を責める声にまず気づくところから始めます。そのうえで、大切な友人が同じ状況にいたら何と声をかけるだろうか、その言葉を、少しずつ自分にも向けていきます。
「自分を甘やかすこと」ではありません。甘やかしが課題から目をそらすことだとすれば、コンパッションは、課題に向き合う力を回復させるためのものです。厳しさより思いやりのほうが人は立ち直りやすいことが、研究でも示されています。
自己批判の強さとメンタル不調との関連、およびコンパッションを育てる介入の効果について、研究が積み重ねられています。(出典)
how we use them
3つの方法は、別々のツールというより、組み合わせて使うひとそろいのツールです。考えを整理することが役に立つ時期。考えから距離を取ることが先の時期。まず、自分に向ける声をやわらげたい時期。どれをどの順で使うかは、決まったマニュアルではなく、目の前のあなたの状態に合わせて、一緒に決めていきます。
なお、どの方法にも効果を裏づける研究がありますが、効果の現れ方には個人差があります。合わないと感じたら、そのことも遠慮なく話してください。進め方を一緒に見直します。
references
このページの説明は、以下の文献・資料をもとに、専門用語をできるだけ日常の言葉に置き換えて書いています。同じ方法でも、定義や説明のしかたは文献によって幅があります。ここでの説明はそのひとつの整理だとご理解ください。それぞれの文献が「何を調べたものか」も、ひとことで添えています。
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